ロマンチックがやってこない

アイドルやら本やら映画やら何やら

深紅の薔薇とキスマーク(あるいは唐突に推すことになったアイドルのこと)

セーラー服と機関銃」みたいなタイトルになってしまった。もしくは「赤いピンヒールとプロフェッサー」(友人に松井珠理奈さんのおたくがいるので、この曲だけはよく知っている。)。

ふっくりとした唇がチャームポイントで、深紅の薔薇を足元から咲かせるようなひとを推すことになった。個人的に近年まれにみる珍事だ。

出会ったのは先週の土曜日だから、まだ十日ほどしか経っていない。

ジャニーズファン歴のめちゃくちゃに長い友人が見せてくれたデビューライブの映像で、出会ってから、十日。

何だ、まだ十日なのか、という気持ちと、もう百年くらい踊っているのではないかという錯覚で今も若干ふらふらしている。

まず云っておかなくては。

 

宮舘涼太くん、お誕生日おめでとうございます。

ジャニーズ所属アイドルのフルネームを大真面目に書いたのは初めてです。

 

そうです。初めてです。いつになっても初めてが降ってくるのが人生の常なのだなとこの年で深く納得する次第、というかびっくりした。自分に。すごくすごくびっくりした。

という記録をちょっとここで取っておこうと思う。後から自分で読み返して転げまわること必至。でもわたしは文字を書くおたくなので、興奮すると何か書きたくなる。

 

宮舘くん(舘さま、というやんごとなきニックネームがあるので、そちらでお呼びしたい気持ちはとってもあるのですが、ここではわたしの照れが天元突破しそうなのでこう呼ばせていただきます。)のことについて語ろうとすると、「アイドルって何だろう」という命題にぶち当たる。なんでそんなもんにぶち当たっているのかと云えば、わたしが「あんさんぶるスターズ!!」ユーザーだからということに尽きるので省略。(こいつはすごいゲームだからやってみるといいよ、でもリアルアイドル好きの方にはちょっとリアルじゃあないかもしれない。)

簡単に云うと、彼はわたしにとって「希望」だ。勝手に一おたくの希望にされるのめちゃくちゃ気の毒。ほんとうにすみません。

 

彼が所属するSnow Manはメンバーが9人いる。9人。多い。彼らのパフォーマンスは揃っているのに躍動感のあるダンスと、意外とパートが入れ代わり立ち代わりする歌で構成されていて、初手、結構、区別がつかない。わたしはつかなかった。大人数のフォーメーションダンスを見慣れていないせいかもしれない。

それでもじっと見ていると、勿論のこと背の高さは違うし、体型も違うし、体の使い方は違うし、歌声だって全然違うのがわかってくる。

そうなると、段々「推し」っぽいひとが出てくるのですね。わたしの場合はそれが宮舘くんだった。

※正直今は9人ともそれぞれすきで推しポイントがあるのだけれども、それを云い始めるときりがないので割愛する。

 

わたしの推し始めたひとは、パフォーマンスへの入り込み方(集中力と云い変えられるかもしれない)と作り込み方が尋常ではなかった。自分の体をめちゃくちゃ自由に操ることができる。

楽曲の世界を生きるように踊るひとだ。生きると云うことはそれそのものがセクシーなのだな、と気付かされるほど、こころゆくまでセクシーなダンスをするひとだ。

曲によってはちょっとお茶の間に流して良いのかよくわかんない。そのくらい容赦なく色っぽい。色っぽくできるポイントを絶対逃さない。

体型もすごく色気があるので(厚みがあるよ~でも脚が細いよ~マジで体の半分が脚だよ~)ご自身の売りをよくわかっていらっしゃる。(しっかりとした男性の体をお持ちなのだけれど、その「色っぽさ」の在り方が意外と性別越境型なのもとてもすてきで、でっかいリボンとかフリルとか派手柄とか、よく似合う。)

少し鼻にかかった独特のあまい声をお持ちで、ふつうに喋るだけでも耳にかかってくる感じがあるのだけれど(もしかしたら抜かりない彼はわたしたちに話しかけるときはあえてあまい音を出しているのかもしれない。そんな気もしてきた。)歌声となるとそれをきっちりと張って高いも低いも安定した声量を響かせる。

歌も、ダンスも、アクロバットも、いつでも限りなく満点を目指して、彼はステージに立っている。

 

誰に対しての満点?勿論、おそらく、きっとたぶん、見ている我々だ。

彼はカメラ越し、見つめられるときはこちらを真剣なひとみでぎゃんぎゃんに見つめてくる。迎えに来たよ、と云うように、今にもこちらの手を取るかのように。

(ちなみにデビューライブのときの口上では「いらっしゃいませ、お姫さま!」と云ってくれていた。力強くいらっしゃいませされてしまった。お姫さまになんかなったことないのに。あの断固たる口調には有無を云わさずこちらをお姫さまにする迫力があった。)

彼はそういうアイドルだ。

そうだ、「アイドル」だ!とわたしはすごくそう思うのだ。何を云っているのかよくわからないと思うが、宮舘くんというひとがマジのマジでヤバいすごい(急激な語彙力の低下)技術と感性を持っていることは見ていればわかる。でも彼はダンサーではなく、歌手でもなく、あくまで、「アイドル」なのだ。「アイドル」でなければならないとまで云えそうなくらい、根っから。

わたしが彼に希望を見出すのはここだ。

彼のようなひとが、「アイドル」でいられる世界は屹度豊かだと思う。

 

彼は今日ひとつ年を重ねるわけだけれども、これからもますますうつくしく、足元を真っ赤な薔薇で埋め尽くしながらアイドルしてほしいと思う。

いつかその姿を、生で見られる日が来ますように。

 

彼のパフォーマンスを見たことのない方は、ぜひ見てみてほしい。公式YouTubeに楽曲の動画が上がっているので。公式YouTubeすごいよ、宝の山だよ。